◎付帯設備表とは
付帯設備とは、建物本体に付属する給排水や冷暖房・照明・換気などの建築設備のことです。
具体的には、給湯設備や水回り設備・エアコン・照明器具・収納・建具などを指し、通常、建物と一緒に引渡します。
そして、建物と一緒にどのような設備を引渡すのか、どういう状況なのかなど、設備について記載した書類のことを「付帯設備表」といいます。
付帯設備表は、買主の合意を得たうえで、売主と買主の双方が署名・捺印をし、それぞれが保有するのが一般的です。
◎付帯設備表が必要な理由
不動産売却時には、この付帯設備に関するトラブルが少なくありません。
中古物件の場合、新築したときに設置された設備を使い続けていれば、当然のことながら付帯設備も古くなります。
なかには傷が付いているものや、劣化しているものがあるかもしれません。
たとえば、売却後に付帯設備が故障した場合、「購入前から壊れていたのではないか」と、買主からクレームがくる恐れがあります。
また、買主があると思っていた設備がなかったなど、売主と買主の認識の違いでトラブルが起こるケースもあります。
そういったトラブルを回避するために、口約束だけでなく書面に残しておく必要があるのです。
◎付帯設備表は誰が作成するのか
付帯設備の有無や見た目に関しては、不動産会社の訪問査定時にチェックできますが、実際に使用しているときの状態は売主にしかわかりません。
したがって、付帯設備表は売主が作成することとされています。
付帯設備表は買主に設備の状態を告知する書類であるため、売買契約を結ぶときまでに作成するのが基本です。
しかし、設備の状態によって査定に反映される可能性があります。
また、急に作成しようとすると、そのときに思い出せなかったり、記載漏れがあることも考えられます。
付帯設備表は内見時にも役立つため、不動産を売却することを決めたら設備について書き出すなど、少しずつ整理しておきましょう。
◎動作確認をおこなう
付帯設備のなかに、しばらく使用していないものがあるかもしれません。
また異常音などがしていても、住んでいる方は慣れてしまって気付かなくなっているというケースも実際にあります。
「問題なく使えるだろう」と判断すると、あとでトラブルになる可能性があります。
したがって不動産会社の担当者と一緒に、それぞれの設備の動作確認をおこなったうえで、付帯設備表を記載することが大切です。
◎撤去すべきかどうかは買主に相談して判断する
新居で使わないものを、付帯設備として引渡したいという方もいらっしゃいます。
しかし、本来、不動産売却時にはすべて撤去して引渡すのが基本です。
買主の合意を得ずに残していった場合、買主が不要であれば撤去する手間と費用がかかるため、売却後にトラブルに発展する可能性があります。
したがって、撤去すべきかどうか迷ったときは、買主に相談して判断することが大切です。
◎経年劣化についての注意書きを記載する
付帯設備は、大切に使用していたとしても、経年劣化は避けられません。
売主が気付かなかった傷が付いていたり、売却後に不具合が起こったりと、付帯設備がトラブルのもとになるケースが少なくありません。
売却後のトラブルを回避するために、経年劣化があることについて注意書きを記載し、買主の合意を得たうえで契約することが大切です。
◎1週間程度の保証期間を設ける
付帯設備表に不具合があることを記載し、それに買主が合意した場合は問題ありませんが、不具合がないと告知したにも関わらす引渡し後すぐに故障する可能性もあります。
そのため、1週間程度の保証期間を設けて契約するのが一般的です。
保証期間内に不具合が見つかった場合は、売主の負担で修繕などをおこなう必要があります。
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