東大阪市不動産相続における遺産分割協議とは?よくあるトラブルや解決方法について
相続が発生した場合(被相続人が亡くなった場合)、被相続人の遺言書がある場合には、遺言書に記載されている内容で遺産を相続人が分けることになります。
ところが、遺言書がない場合には相続人全員が話し合いをして、遺産の分け方を決める必要があります。
これを遺産分割協議といいます。
◎遺産分割協議のはじめ方について
まず遺産分割協議を進めるうえで重要なことは、最初に相続人を確定させることです。
理由は、遺産分割協議が成立する大前提として、相続人全員の合意が必要だからです。
そのため、相続人全員の遺産分割協議が成立した後に、新たな相続人がいることが発覚した場合には、その方を含めないで遺産分割協議をしているということになり、その遺産分割協議は無効になります。
相続人の確認はどのようにすればいいのかというと、被相続人の戸籍謄本や改製原戸籍謄本を取り寄せて、相続人を特定します。
もし所在不明の相続人がいる場合は、その相続人の戸籍の附票を取り寄せることで住民票の住所がわかりますので、特定が可能です。
ただし、相続人に未成年者がいる場合は、一般的には親が法定相続人になりますが、相続という点では利益相反の立場になるので、特別代理人を選任する必要があります。
また、相続人が認知症などで判断力が十分ではないという場合には、成年後見人の選任が必要なります。
相続人が確定したら、次は相続財産を確定させ、具体的な相続分について話し合いをします。
◎遺産の分け方について
遺産の分け方には、現物分割の他、換価分割、代償分割などがあります。
遺産分割協議でまとまった内容で相続人全員が同意をした場合、合意内容を遺産分割協議書として作成します。
遺産分割協議書は、後日紛争が起きないように相続人全員の署名と実印で押印をします。
これで遺産分割協議は完了ですが、遺産分割協議がまとまらない場合には、家庭裁判所の遺産分割調停・審判を利用します。
一般的には調停によって合意を模索しますが、調停で合意を得られない場合は、裁判官の審判によって決められることになります。
◎相続人が多くもめるケース
まず、よくあるトラブルが相続人が多い場合です。
相続人が多いと、それぞれ考えていることも違うだけでなく、さまざまな思惑があったりしますので、そこで意見がぶつかり、なかなか合意に至らないということが多々あります。
日々往来がある親戚同士であれば従来顔見知りということもあり、話が通りやすいですが、相続人同士が初めて会ったという場合もあり、成熟した人間関係ができていないので、意見が対立することが多くなります。
また、以前から顔見知りの場合でも、もともと関係が良くないということもあるので、話し合いがまとまらないということがおきてしまいます。
◎不動産の分割方法でもめるケース
次に遺産が不動産の場合も、相続人同士が対立する原因となることがあります。
不動産は現金のように平等に分けることができないので、誰が相続をするのかということで揉めるケースが良く見受けられます。
また、不動産は相続額が大きくなるため、現金などを相続した方と不公平が生じることなどもトラブルの原因となります。
◎親の面倒を見てきた相続人と他の相続人がもめるケース
親が亡くなるまで同居して、親の世話をしていた相続人と同居していなかった相続人との間で対立が生まれることがあります。
たとえば親の世話をしていた相続人は、親の面倒を亡くなるまでみていたのだから、実家には住み続けられると思っていたのに、他の相続人が同意をしないというケースです。
親の世話をしていた相続人の立場からすれば、親の面倒を最期までみていたのだから、実家は自分が相続するのが当然であると考えるのでしょう。
一方、他の相続人は実家に住んでいたのだから親の面倒をみるのは当然であるから、自分の相続分を減らす必要はないと考え納得しません。
このような双方の思惑が異なっているため、対立が起きるということになります。
このように遺産分割協議が相続人全員でまとまらない場合には、相続人同士の精神的な負担が増すだけでなく、相続人同士の人間関係が悪化する可能性もあります。
さらに、相続税の納付が遅れてしまうことで、相続税の特例が使えなくなり、本来納付する必要のない無申告加算税や延滞税が加算されてしまう可能性もあるでしょう。
◎家庭裁判所の遺産分割調停・審判を利用する
遺産分割協議で相続人全員の意見がまとまらなかった場合には、家庭裁判所の遺産分割調停・審判を利用することになります。
遺産の分割については、家庭裁判所の審判に委ねるということです。
具体的なやり方としては、まずは裁判所の調停委員が相続人の間に入って話し合いでまとめるという流れになります。
あくまでも協議をしてまとめるということであり、調停人が間に入って穏便にまとめるということになります。
ところが、遺産分割協議でもまとまらず、調停委員が仲介しても話がまとまらないということになる場合については、審判に移行して、裁判官が決めるということになります。
相続が発生する前から遺産分割について話し合っておく
相続が発生した後に、はじめて遺産分割について話し合った場合、前述のように、それぞれの相続人の考え方が異なることで、揉めてしまう可能性があります。
そこで、被相続人がまだ元気な時に、遺産の相続についてはどうするのかということを、それぞれの相続人の考えを共有したり話し合っておくことも、相続のトラブルを回避できる可能性があります。
◎被相続人は適切な遺言書を残す
揉めないために被相続人が適切な遺言書を残しておくということです。
本来相続というのは、遺言書の存在が最も重要で、遺産の分割方法がすべて明確であれば、それに従って遺産を分割します。
この場合、遺言書が有効なものであれば、遺産分割協議を行う必要性は全くないため、相続人同士で揉めることはありません。
ただし、有効な遺言書を作成するためには、法律的な専門知識が必要になりますので、事前に弁護士や司法書士などの専門家と相談しておく必要があります。
◎遺言執行者を指定しておく
有効な遺言書に併せて、遺言の内容を確実に実行する遺言執行者を指定しておく方法もあります。
遺言執行者が指定されていれば、他の相続人が相続手続きに非協力的でも、手続きを進める権限が付与されているので、スムーズに手続きが進行します。
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